学校における「香り」等による健康被害への取り組みを

    近年、柔軟仕上げ剤等の香料による頭痛、咳など健康被害が広がっています。札幌市においても、化学物質過敏症の子どもたちが、香料により登校が困難になっているなどの事例があり、保護者の方とともに、教育委員会に対し要望書を提出しました。

9月1日、札幌市役所にて

  市民ネットワークは、化学物質過敏症の子どもや保護者と情報共有の場をもっています。「教室内の香料等で、子どもが息苦しくなったり、体もかゆくなりわずかな時間しか登校できない」「『先生はいい匂いだと思うのに、なぜ君だけ違うのか』と言われる」など、子どもの健康被害や教職員の理解不足等について指摘がありました。さらに、電磁波過敏症も併発している方も多く、学校での無線LANの影響を懸念する声もありました。教育委員会には、当事者の要望とともに、香料自粛の啓発チラシの掲示、教職員への研修、無線LAN等の電源スイッチ設置等と併せて「幼稚園・学校におけるシックハウス対策マニュアル」の遵守を求めました。

 

 

「子どもの貧困対策計画」は、子どもを権利の主体に!- 社会全体で子どもの成長を支える -

    札幌市は2017年度中の「仮称)子どもの貧困対策計画」策定をめざし、現在、計画素案を作成中です。素案に市民意見を反映させるため「『札幌市子どもの貧困対策計画』を考える市民の会」(以下、市民の会)は、札幌市に対し意見書を提出しました。 

意見書を受け取った岸副市長からは、「職員が市民目線で取り組むことが重要」「子育て世帯全体をカバーする施策としたい」等の発言がありました。(7月6日、札幌市役所にて)

 札幌市が2016年度実施した子ども・若者生活実態調査結果では、「保護者が相談窓口を知らない」「お金がなくて子どもを病院に受診させられなかった」「過去1年間にキャンプや旅行に行っていない」などの割合が、課税世帯よりも非課税世帯において高いことが明らかになっています。
….市民の会は、児童養護施設や自立支援施設等にヒアリング調査を行い、支援の現場の実情を聞き取るとともに、4月28日、緊急市民フォーラムを開催しました。これらを基にまとめた意見書は、子どもの貧困問題を子どもの権利の侵害という視点からとらえることを基本的な考え方とし、ひとり親家庭支援の実質化、児童福祉法の対象とならない若者への支援、スクールソーシャルワーカーの拡充、ワンストップ相談体制、義務教育経費の負担軽減、親の労働環境の整備等を盛り込みました。引き続き、市の検討状況を注視するとともに、パブリックコメントを有効に活用するなど、市民意見を活かし、子どもの最善の利益が保障される計画となるよう活動をすすめます。

※市民ネットワークが、辻智子さん(北海道大学教員)沢村紀子さん(「さっぽろ子ども・若者白書」をつくる会事務局長)とともに設立した市民団体です。


   

 

子どもたちが安心して過ごし、学べる環境づくりを – 有害化学物質から子どもたちを守ろう!-

札幌市教育委員会は、学校等において有害化学物質による子どもたちへの健康被害を防ぐため、教室の換気方法等をまとめた「幼稚園・学校におけるシックハウス対策マニュアル」を2007年に策定しました。10年が経過したことから、マニュアルに基づいた対策が行われているか検証するためアンケートを実施しました。

札幌の市立10幼稚園・314校(小・中・高・特別支援学校)にアンケートを実施し、6園・67校(23%)から回答を得ました。マニュアルでは、「休日後や長期休業明けの教室等は、揮発性有機化合物等の濃度が高くなっていることがあるので、使用開始前に必ず十分な換気を行うこと」と定めていますが、実施しているとの回答は10校のみでした。また、1園・16校が、ワックス塗布時に安全データシート(SDS)で成分を確認していませんでした。
化学物質に対する意識、知識、対策に関しては、学校によってかなりの差があることが以前から指摘されていますが、シックスクールを引き起こす危険性は過敏な子どもに限らず誰にでもあります。今後も、マニュアルに基づいた対応がしっかり行われるよう求めていきます。

誰もが安心して利用できる公共施設を ~空気環境に関する要望~

    区民センター、児童会館などの公共施設は、子どもや高齢者をはじめ多くの市民が利用しており、地域の拠点にもなっています。近年、建物の塗料や建材の他、臭いの強い柔軟仕上げ剤やリンスなど人が持ち込む合成香料によって健康被害を受ける人が多くなっていることから、化学物質過敏症の当事者や市民団体が札幌市に対し公共施設の空気環境に関する要望を行いました。

当事者6人もそれぞれ要望書を提出し、意見交換を行いました。 (4月28日、札幌市役所にて)

    人が持ち込む強い香料によって、気分が悪くなる、その場にいられない、気を失うなどの症状が出る人がいることはあまり理解されていません。臭いの強い製品の使用を控えようという意識を持ちづらいのが現状です。国民生活センターでは、柔軟仕上げ剤等の強い香料に対する苦情が増えたことから、業界に要望を出したとのことですが、法的規制がなく、合成香料に苦しむ人の困難は何ら解決されていません。当事者の訴えに、対応した都市局や子ども未来局など4部局は、正しい換気の徹底や香料による健康被害についての職員研修や周知、来館する人への香料自粛についてのお知らせ等を検討すると回答しました。今後も化学物質過敏症の当事者や他団体と連携し、空気環境の問題に取り組んでいきます。

プライバシー侵害が懸念されるICT活用に異議あり

亀田成春さん(弁護士)を講師に学習会を開催(3月16日)


ICT活用実証実験事業(2016~18年度)は、「札幌市ICT活用戦略」の先行事業であり、札幌駅前通地下歩行空間において、人の流れや属性情報等を収集・蓄積・提供するものです。市民ネットワーク等が、カメラによる顔認証等はプライバシー侵害の懸念があると指摘してきたことから、「顔認証」カメラは設置しないと計画変更になりました。しかし、民間による取り組みが懸念されます。

この事業は、札幌市が人感センサーや双方向のデジタルサイネージ(壁面ディスプレー)等のICT機器を設置し、性別、年代、好みなど、個人の特徴や希望に合った情報をスマートフォンやデジタルサイネージに発信することによる市民・観光客への誘客案内や効果的なマーケティング、また、防災・防犯対策等を目的としており、17年度予算は5,000万円です。17年第1回札幌市議会予算特別委員会において、ビッグデータを収集し民間活用に提供することへの認識等を質し、センサーの仕様や情報収集の方法についての素案作成に向けては、プライバシー保護やシステムの専門家より第三者意見を頂き、素案を周知・公表した上で市民意見を募集すること等が明らかになりました。しかし、民間事業者がカメラセンサー等を設置することが想定されています。マイナンバー制度など個人番号の紐付けによる国の管理・監視強化がすすむ中、個人情報収集等について多くの市民が不安を抱いており、今後も注視が必要です。  

※ICT:情報通信技術

化学物質の指針に子ども基準を!

 

  札幌市白石区複合庁舎が新設され、2016年11月7日から利用が始まりました。地下鉄白石駅に直結し、区役所や区民センター、保健センターなどが併設されています。6階には「えほん図書館」も併設されましたが、「化学物質の臭いが強くて室内に入れない」という利用者の声があり、室内空気環境測定結果等について確認するため視察しました。

「えほん図書館」は、札幌市で初めての絵本専門の図書館です。多数の大型絵本など蔵書は2万冊、声を出して読める環境など幼児期からの読書のきっかけ作りを目的としており、親子連れが多 数訪れているとのことです。しかし、室内空気環境測定報告書によると、絵本や備品が搬入される前(16年9月)はトルエン(厚生省指針値260μg/㎥)が55.1μg/㎥でしたが、搬入後(10月)は182μg/㎥と3倍以上になっていることが明らかになりました。印刷インク等の影響が大きいと考えられますが、測定結果が指針値以内であることから、換気の必要性の認識に至らず、おとなより感受性の高い子どもへの健康影響に繋がる可能性があります。24時間機械換気が行われていますが、子どもたちが健康被害に合わないために併せて自然換気も行うべきです。
札幌市の公共施設における化学物質の指針値は、おとなを対象としており、子ども基準の指針値を独自に設定すべきです。

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本(10冊まで)をのせただけで貸し出しや返却ができます。

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12月22日、えほん図書館にて
12月22日、えほん図書館にて

豊平川水道水源水質保全事業の検証を

 2020年度末の完成を目標に豊平川水道水源水質保全事業(以下、バイパス事業)の導水路新設工事が進められています。全長約9.7kmの山中を定山渓側と白川浄水場側からシールド工法によってトンネルを掘削するための発進基地と、掘り出された土砂の管理施設等を視察し、重金属検査結果などを確認しました。

 バイパス事業は、豊平川の水源水質を保全するとして、定山渓温泉地区のヒ素等を含む自然湧水を取水堰で取り入れ、約9.7kmの導水路で、白川浄水場の下流まで迂回(バイパス)させ、ヒ素等を一定程度除去した後、下流に放流する事業です。総事業費約187億円で、市民ネットワークは費用対効果の観点から、ヒ素を除去する手法の見直しや、浄水処理でのヒ素の平均除去率が向上していることを踏まえ事業の検証を求めてきました。これまで合計380m掘削し、3,587㎥の土砂が掘り出され、その内、ヒ素の溶出基準値(0.01mg/L)を超過した土砂は、804㎥と約22%(11月4日現在)であり、セメント原料としてリサイクルされるとのことです。検査・運搬費用など10億円増が見込まれていますが、事業費がさらに上回る懸念もあります。今後も事業の検証が必要であり、引き続き注視していきます。

土砂に含まれるヒ素の環境への影響が懸念されます。(11月9日、定山渓側発進基地にて)
土砂に含まれるヒ素の環境への影響が懸念されます。(11月9日、定山渓側発進基地にて)

丘珠空港の「ジェット化」及び、滑走路延長、増便させないことを改めて要望

 秋元市長が、フジドリームエアラインズ(FDA)の丘珠-静岡間の定期便の通年運航や路線拡大に向け、丘珠空港の滑走路延長を検討する考えを明らかにしたことが6月5日に報道されました。航路直下の住民から不安の声があがっており、市長に対し「ジェット化」及び滑走路延長、増便させないことを市民団体とともに要望しました。


札幌市と北海道は、1996年に丘珠空港のジェット化を断念し、冬期間の安定運航等のため後継プロペラ機対応の高質化整備として、約80億円をかけて滑走路を100m延長しました。さらに、騒音や排気ガス、風雪の防止策として総事業費180億円の緩衝緑地整備事業(2017年度完成予定)を行ってきました。市長が滑走路延長の意向を示したことは、住宅密集地にある丘珠空港のあり方について、これまでの市の方針から大きく逸脱し、住民合意のもとすすめてきたまちづくりを反古にするものです。要望後の意見交換で市長からは「滑走路延長を検討すると発言していない。住民の声は重く受け止めている」と答弁がありました。丘珠空港は積雪量の多さから、冬期間の就航率の向上は困難であり、また、自衛隊と民間との共用空港であることから、日米地位協定のもと、空港設備の拡張は軍事利用にもつながることが懸念されます。今後も、生活環境を悪化させず、丘珠空港の「ジェット化」及び滑走路延長等を行わせないよう市民団体とともに活動をすすめていきます。

7月4日、札幌市役所にて
  7月14日、札幌市役所にて