豊平川水道水源水質保全事業の検証を

 2020年度末の完成を目標に豊平川水道水源水質保全事業(以下、バイパス事業)の導水路新設工事が進められています。全長約9.7kmの山中を定山渓側と白川浄水場側からシールド工法によってトンネルを掘削するための発進基地と、掘り出された土砂の管理施設等を視察し、重金属検査結果などを確認しました。

バイパス事業は、豊平川の水源水質を保全するとして、定山渓温泉地区のヒ素等を含む自然湧水を取水堰で取り入れ、約9.7kmの導水路で、白川浄水場の下流まで迂回(バイパス)させ、ヒ素等を一定程度除去した後、下流に放流する事業です。総事業費約187億円で、市民ネットワークは費用対効果の観点から、ヒ素を除去する手法の見直しや、浄水処理でのヒ素の平均除去率が向上していることを踏まえ事業の検証を求めてきました。これまで合計380m掘削し、3,587m3の土砂が掘り出され、その内、ヒ素の溶出基準値(0.01mg/L)を超過した土砂は、804m3と約22%(11月4日現在)であり、セメント原料としてリサイクルされるとのことです。検査・運搬費用など10億円増が見込まれていますが、事業費がさらに上回る懸念もあります。
今後も事業の検証が必要であり、引き続き注視していきます。

代理人 石川 佐和子(札幌市北区)

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土砂に含まれるヒ素の環境への影響が懸念されます。(11月9日、定山渓側発進基地にて)