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2003年6月

学習会報告「住基ネット」と「個人情報保護法」
6月23日(月)かでる2・7

反核・平和プロジェクト 小倉 菜穂子

 
  2002年8月5日、国民に11桁の住民票コードをつけ様々な行政情報処理に使用する「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」が稼働しましたが、私たちは個人情報の漏洩はもとより国家による国民の監視体制が強化される事を危惧し、反対署名、学習会、住民票コードの記載されたハガキの返却、不服申し立て、反論書の提出などを行なってきました。しかし、私たち市民の反対の声、不安の声を押し切って、この8月25日、住基ネットが本格稼働しようとしています。希望者に対しICカードの販売が行なわれる予定です。
このような状況を踏まえ、多くの市民とともに住基ネットの問題点を共有しさらに理解を深めるため、推進と反対、立場の異なるお二方の講師を迎えて学習会を開催しました。急な呼びかけにもかかわらず、80人もの市民が参加しました。上田札幌市長が「住基ネット選択制」を表明したことで、住基ネットに初めて関心を持ち、学習会に参加した方もいました。

 まず、札幌市市民局戸籍住民課長・吉田雅文さんに住基ネットを推進してきた行政サイドの話をうかがいました。吉田戸籍住民課長は、「個人情報の漏洩を心配する声もあるが安全性は非常に高い。また、市民にとってのメリットがまだあまり感じられないかもしれないが、時間とともにメリットを感じてもらえるはず。特に今後カードを使用すればどこでも簡単に住民票を取れるようにもなる。行政にとってもこれまで郵送で時間がかかっていた情報のやりとりも瞬時に行なうことができるなど大変便利になり、ひいては市民へのサービスの向上につながる」と述べ、住基ネットの利便性を強調しました。

  これに対し、弁護士の山本行雄さんは、「個人情報の漏洩が絶対ないと保証することは不可能だし、一度流出した情報は回収することができない。また、住民票コードの利用の拡大を図ろうとする動きを止めることはできないと予測される。民間に流出したならば個人の様々な情報は非常に危険な状況にさらされる。まさに住民票コードは、個人情報のどこの扉でもあけることのできるマスターキーに他ならない。まして、自分で自分の情報をコントロールする権利が盛り込まれないままの個人情報保護法のもとでは、私たちのプライバシーを守ることは不可能である。 諸外国においてもここまですべての個人情報が管理可能なシステムは、国民の強い反対でその導入は実現していない」と述べました。

  昨年の住基ネットの稼働以降を見ても小泉内閣は、個人情報保護法、テロ対策特別措置法、有事関連三法を成立させ、現在「イラク新法」も今国会で可決成立する見通しです。こうした一連の流れの先に、一人ひとりの人権、プライバシーが守られ安心して平和に暮らせる時代は少しも見えません。引き続き市民ネットは、多くの市民とともに反対行動を展開します。先の上田札幌市長の提案により住基ネットをやっと意識し始めた市議会議員もいると聞きます。ぜひ札幌市議会でも活発な議論が展開されるよう働きかけて行きます。


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