トラウマを抱える人を理解し、支援するために 〜 子どもの虐待防止の現場から 〜

このフォーラムは、子どもの虐待防止に関わる専門職の実践的な学習と交流を目的として例年開催されています。今なお虐待問題は年々増加しており、課題は山積しています。2017年児童福祉法等が改正され、理念の明確化、発生予防などが示されました。現場で関わる人々や関係機関の研修と意見交換の場として、大きな意義を持っています。

阪神大震災を契機に設立された「兵庫県こころのケアセンター」は、心のケアに関する調査研究、人材育成、相談、診療、普及啓発など多様な機能を有する拠点施設です。記念講演で副センター長の亀岡智美さん(児童青年精神科医)からトラウマインフォームドケアについて聞きました。トラウマとは、虐待、災害、事故、戦争体験などにより、心にけがを負った状態です。子どもが乱暴な行為をしたり暴言を吐いたり、一見加害行為に見える現象が恐怖体験の「再現」であるケースがあるといいます。発達障がいに酷似した症状を示すことも多々あり気づかれにくく、さらに傷ついてしまうこともあります。

子ども支援に関わるおとなが、トラウマによる反応や症状を熟知している必要があり、多面的に子どもを理解することが大事であることがわかりました。

子ども・教育プロジェクトから2名が参加。