講師の平井照枝さんは、ひとり親家庭の現状と生きづらさについて、「シングルマザーへの世間の目は『勝手に離婚して貧困なのは自己責任』『夫から養育費をもらえばいい』というのが現実。養育費を受けたことがない割合は1/2を超え、ひとり親家庭の生活困窮の一因になっている。また、子育てをしながらの就労は、経済的な自立が難しく、子どもの病気や勤務体系に沿った保育が受けられず、実家暮らしでは公的保育所には入りづらいなど、子どもの保育が働く壁となり賃金格差や社会保障制度(健康保険・雇用保険)未加入につながっている。身近に頼れる人がいないことや様々な対象条件が制度利用の足かせになっている状況を親自身の責任と追い込んでしまう」と、話されました。当事者ならではの視点で作成された「ひとり親家庭の使える支援制度・貸付金・相談先」には、調べる手間や時間が省けるタイムリーな情報がまとめられており、寄り添う支援活動が当事者にとって何よりも頼りになっています。一方、札幌市のひとり親家庭の制度の認知度はきわめて低いことから、情報提供や申請方法などの課題を共有するとともに、利用者の側に立って制度を見直すことが急務です。また、児童扶養手当の拡充や返還義務のない奨学金制度を引き続き国や自治体に求めていきます。

講師の平井照枝さん(しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道代表)(右端)は、自らも、ひとり親家庭の子どもであり、母親でもあり、両方の立場に立って活動されています。

講師の平井照枝さん(しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道代表)(右端)は、自らも、ひとり親家庭の子どもであり、母親でもあり、両方の立場に立って活動されています。