介護保険実施20年 ますます使えないサービス!?

第4回 介護の日フォーラム 報告

2000年に始まった介護保険制度は、これまで5回の制度改正を行い、15年に要支援を自治体の地域支援事業へ移行しました。現在、社会保障審議会が検討している21年改正では、要介護1、2の訪問介護の「生活援助」、通所介護をも地域支援事業へ移行する方向が示されています。これは制度改悪に他ならず、情報収集のためフォーラムに参加しました。

服部万里子さん(服部メディカル研究所 所長)が、「介護保険制度の改悪に利用者・介護者・サービス事業者・市民は声を上げよう」と題し、基調講演を行いました。服部さんは「要介護1、2の人はその5~6割が生活援助を利用し、デイサービス利用者の67%を占めています。これらの方が制度改正によりサービスを受けられなくなること、サービス利用1割負担が原則2、3割負担となること、ケアプランの有料化等により家族の負担が増え、その結果、介護離職やハラスメントが増加するのではないか」と指摘しました。パネルディスカッションでは、利用者、介護者家族からのビデオレターが紹介され、要介護1、2の人が生活援助サービスを利用できなくなると、安心して日常生活を送ることができないことへの不安を訴えられました。また、たすけあいワーカーズから介護認定調査及び判定の問題点等の現場報告がありました。
国は、財政負担を理由に介護サービスを削減しようとしていますが、安心して地域で暮らし続けるため介護保険制度の改悪を阻止しましょう。

代理人 石川 佐和子(札幌市議会議員 北区)

講師の服部万里子さんとともに (11月11日、世田谷区北沢タウンホールにて)