化学物質の指針に子ども基準を!

 札幌市白石区複合庁舎が新設され、2016年11月7日から利用が始まりました。地下鉄白石駅に直結し、区役所や区民センター、保健センターなどが併設されています。6階には「えほん図書館」も併設されましたが、「化学物質の臭いが強くて室内に入れない」という利用者の声があり、室内空気環境測定結果等について確認するため視察しました。

12月22日、えほん図書館にて

「えほん図書館」は、札幌市で初めての絵本専門の図書館です。多数の大型絵本など蔵書は2万冊、声を出して読める環境など幼児期からの読書のきっかけ作りを目的としており、親子連れが多数訪れているとのことです。しかし、室内空気環境測定報告書によると、絵本や備品が搬入される前(16年9月)はトルエン(厚生省指針値260μg/㎥)が55.1μg/㎥でしたが、搬入後(10月)は182μg/㎥と3倍以上になっていることが明らかになりました。印刷インク等の影響が大きいと考えられますが、測定結果が指針値以内であることから、換気の必要性の認識に至らず、おとなより感受性の高い子どもへの健康影響に繋がる可能性があります。24時間機械換気が行われていますが、子どもたちが健康被害に合わないために併せて自然換気も行うべきです。
札幌市の公共施設における化学物質の指針値は、おとなを対象としており、子ども基準の指針値を独自に設定すべきです。

代理人 石川 佐和子(札幌市)