日本の子どもの6人に1人が貧困状態にある中、2014年、子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、札幌市は 17年度中に「仮称)子どもの貧困対策計画」策定を目指しています。子どもの貧困は、住宅や労働、教育など、社会の様々なひずみを子どもが負わされている状態であり、子どもの権利の侵害です。市民が計画づくりに積極的に関わろうと、「『札幌市子どもの貧困対策計画』を考える市民の会」を立ち上げ、フォーラムを開催しました。
基調講演で山野良一さん(名寄市立大学教員、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人)は、子育て世帯やひとり親家庭等の厳しい生活実態等を示し、経済的困難は物質的な不足に止まらず健康等にも影響を及ぼし、子どもの発達に大切な遊びや旅行など様々な体験の機会をも奪うと話されました。また、計画には、貧困率の削減目標、子どもにとって使いやすい支援、給付型奨学金の拡充、自己肯定感を高める支援等を盛り込むべきこと。さらに条例制定の必要性についても話されました。
支援の現場からは、子どもにも保護者にも身近に信頼できる人がいると実感できる地域づくりの重要性、市の計画策定に子ども支援に携わるNPOの参加がない等の問題点が指摘されました。
市民の会は「ワンストップ相談窓口の設置」等を盛り込んだ意見書(案)を公表し、参加者アンケートを行いました。今後、フォーラムで出された意見、要望を活かして意見書を完成させ、計画素案公表前に札幌市に提出する予定です。
様々な機会を通して多くの声を札幌市に伝えていきましょう。
政策部会 小倉 菜穂子
※「『札幌市子どもの貧困対策計画』を考える市民の会」:市民ネットワークが、辻智子さん(北海道大学准教授)、沢村紀子さん(「さっぽろ子ども・若者白書」をつくる会事務局長)とともに設立した市民団体です。