稲、麦類、大豆といった私たち日本人の基本的な食料の良質な種子の生産と普及を都道府県に義務付けていた主要農作物種子法が2018年3月31日をもって廃止されました。種子法の役割と意義、今後の課題などについて、生活クラブ運動グループで構成している「食の問題を考える会」主催で学習会を開催しました。
田中義則さん(北海道立総合研究機構中央農試遺伝資源部長)は「1952年に制定された種子法のもと、試験場など公的機関が育種や種子生産などを行ってきたが、廃止により国の予算が継続されるのか危惧される」と話しました。また、久田徳二さん(ジャーナリスト、北海道大学客員教授)は「法の廃止により遺伝資源は民間業者に叩き売られ、種子が高騰し、供給が不安定になり、種の多様性が失われる。農業のあり方全体が企業本位に変えられる」と指摘しました。さらに、大熊久美子さん(北海道食の自給ネットワーク事務局長)は、「農水省からの通知は、廃止後、種苗に関する知見を民間事業者へ提供することとしていますが、北海道は、安定的な種子生産の計画や生産システムの継続などの問題について全く危機感を示していません」と報告しました。最後に、山﨑栄子さん(生活クラブ生協理事長)は、「種を公共財として次世代へ手渡していくため多くの団体と連携し、北海道へ条例制定を求める活動につなげていきたい」と訴えました。
多国籍企業による種子市場の独占を認めず、遺伝子組み換え作物を止めるため、市民とともに運動を広くすすめていきます。
代理人 干場芳子(江別市議会議員)