二元代表制を踏まえ、市民自治に根差した市政を

市民の意思を表明する手法として住民投票は、市民自治に欠かすことはできません。札幌市自治基本条例には「市は、市政に関する重要な事項について、住民の意思を確認するため、別に条例で定めるところにより、住民投票を実施することができる」と規定されています。2023年2月、第1回定例会の代表質問で常設の住民投票条例の制定を求めたところ、秋元市長は市の附属機関である市民自治推進会議の報告書にはない「関接民主制を採用する議会制度との関係を踏まえた慎重な対応が必要」という文言を答弁に引用したことは問題です。

2024年第3回定例会において、米倉みな子の文書質問でこの問題の経緯について質し「推進会議から提出された報告書に記載された意見と国の地方制度調査会の見解を混同したことによる誤りがあった。当該答弁における常設の住民投票に対する札幌市としての考えに誤りはないものの、同会議の委員の方々や市民の皆様に誤解を与えたことから、本市ホームページに本件に関する経緯とともに謝罪の旨を掲載している」という市長答弁がありました。しかし、推進会議の報告書で触れていないことを答弁に引用することは、推進会議に対する冒とくであり、市民及び議会軽視に他なりません。議会答弁についての「報告とお詫び」であれば、ホームページのみならず、広報さっぽろ及び市議会だよりで市民に広く知らせるべきです。
市民自治をすすめている札幌市として、今回のようなことは二度とあってはなりません。市の最高規範である自治基本条例に基づき、改めて市民との信頼関係を構築すべきです。

共同代表 石川 佐和子

※札幌市ホームページ 市民自治推進会議
令和元年度から令和3年度会議開催状況の最終ページに「市長答弁について(報告とお詫び)」及び「令和6年第3回定例市議会における文書質問と回答について」が掲載されています。

https://www.city.sapporo.jp/shimin/jichi/gugenka/suisinkaigi/r1.html