核のゴミ最終処分地選定「撤回」の規定を

核のゴミ最終処分地選定に向け、昨年11月、寿都町と神恵内村で文献調査が開始されました。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下、最終処分法)には、第2段階の概要調査の前には知事と市町村長の「意見を聴き、これを十分に尊重」することが明記されていますが、「撤回」の規定がないことは重大な問題です。選定の「白紙撤回」に向け、市民団体とともに、11月資源エネルギー庁と意見交換(リモート)を行い、また、この間の経過を踏まえ12月梶山弘志経産大臣に再質問書を提出、さらに北海道知事に「選定手続きから離脱」することを保障する施行規則の整備を経産大臣に求めるよう緊急要望しました。

鈴木知事は寿都町で文献調査問題が浮上して以来「概要調査に反対」を明言。経産大臣は「知事が概要調査地区の選定に反対であれば、処分地選定プロセスから外れる」と北海道に回答しています。しかし、資源エネルギー庁担当者との意見交換では、「外れる」ということについて「処分地選定の候補地から除外され、次の概要調査へは進まないという意味か」「白紙撤回できるという意味か」との問いに「白紙撤回という質問の意味が分からない」などのはぐらかしに終始していました。このような無責任な行政を許さないためには、最終処分法に自治体が「プロセスから外れる」ための「撤回」の手続を保障する施行規則を早急に整備すべきです。

共同代表 佐藤 典子