出前講座報告 －泊原発運転差止判決を受けて－
…2022年5月31日、札幌地裁は北海道電力に対し泊原発3基すべての運転差し止めを命じる判決を下しました。運転差し止め、廃炉等を約1,200人の原告が求めた裁判において、廃炉請求は棄却されましたが、提訴から10年半で手にした画期的な判決でした。泊原発廃炉訴訟の元弁護団長 市川守弘さん（弁護士）を講師に、これまでの取り組みと今後の課題を伺いました。
…裁判は、敷地内断層、地震、津波、火山に対する安全性等を争点とし、原告は人格権（生命・身体）の侵害を訴えました。敷地内断層の12万5千年前以降の活動性の前提となる西岸沖活断層が未確定である、北海道や市町村の原子力災害避難防災計画では倒壊家屋数や寸断道路箇所等が明示されておらず避難計画の実効性がない、津波の最高水位の変更に伴う防潮堤の構造が未確定である等を主張・立証しましたが、北電は規制委員会の審査が未了であることを理由に立証しませんでした。判決では、「津波に対する安全性の基準を満たしていない」等とし、安全性について説明を尽くさない北電の姿勢も批判しました。
…北電は泊原発全３基の運転を停止していますが、2013年に規制委員会に再稼働を申請し、現在も審査中です。今回の判決は、規制委員会による設置変更許可前の泊原発に対するものですが、北電は、地震や津波等に対する安全性を立証できない大変危険な原発であると認識し、再稼働すべきではありません。岸田首相が原発の「最大限活用」を表明する中、危険な泊原発の再稼働を阻止し、廃炉をともに求めていきましょう。
代理人 石川 佐和子（札幌市議会議員）
札幌市民ホールにて（10月1日）
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