市民政治をひろげよう!

全国市民政治ネットワーク全国交流集会2025 in神奈川 報告 10月17・18日

2年に1度の全国市民政治ネットワークの交流集会を新横浜のオルタナティブ生活館で開催しました。
基調講演では、「差別と闘い勝った人々」と題し、在日コリアン3世の崔 江以子(チェ・カンイジャ)さん(川崎市ふれあい館館長)から、差別発言には最高50万円の罰金という日本初の罰則規定が盛り込まれた川崎市の「差別のない人権尊重のまちづくり条例」(2019年制定)を勝ち取った経緯について話されました。差別を生まない土壌づくりには、人権教育や意見の違う人との対話を共感しあえる方法でアプローチすることが重要との言葉が印象的でした。

第1分科会
「人権尊重のまちづくり~誰もが大切にされる社会へ~」

第1分科会では、人権問題を「自分事」として捉えられるよう、身近な問題を取り上げ、人権尊重の意識を高めることをめざし、5名の報告がありました。
埼玉ネットの山田ゆう子さん(越谷市議)は、2023年に入管法が改悪されて以降、川口市や蕨市周辺に暮らすクルド人の方々に対するヘイトスピーチが増えていることや外国人排斥につながる意見書が可決されたこと、ヘイトに反対する議員がネット上で攻撃されるなどの現状を報告し、どこの自治体でも条例制定が必要と訴えました。
神奈川ネットの吉田奈々さん(大和市議)は、小学校5年生が集団登校など学校生活のあたりまえに疑問をもち、「私たちに決めさせて」と市長や校長、PTAなどに要望したが、話し合いの場はつくられず、子どもの意見を反映してほしいとの趣旨で市議会に提出した請願は、採択されたものの状況は変わらなかったと報告。子どもが意見表明できる場づくりと子どもの権利を保障する条例づくりに取り組んでいくと力強く述べました。
高橋茂さん(voice Japan代表、デジタルクリエイター)は、参議院選を振り返り、今後の選挙はインターネットやAIを効果的に活用し、コストをかけずにキーワードをしっかり選ぶことが大切。過激な言葉ではなく、これまで政治に関心がなかった人に届くような言葉を選ぶことが必要と話されました。
あらゆる差別のない、多民族・多文化共生の社会の実現をめざし、活動していきましょう。

運営委員 品川 千賀子

講師の崔 江以子(チェ・カンイジャ)さん